山崎豊子氏による不朽の名作『白い巨塔』は、幾度も映像化され、その度に社会的な話題を呼んできました。特に、唐沢寿明さんが財前五郎を演じた2003年版(フジテレビ)と、岡田准一さんが主演を務めた2019年版(テレビ朝日)は、ロケ地の選び方にも制作者の強いこだわりが見えます。
舞台は大阪の浪速大学病院ですが、実際の撮影は大阪だけでなく、関東地方(東京、千葉、神奈川)や兵庫、岡山など広範囲にわたっており、ファンにとっては巡礼の楽しみが尽きません。
この記事では、検索キーワードの意図を重視し、ドラマの主要な舞台となった浪速大学病院のロケ地を中心に、名シーンが生まれた各地のスポットをご紹介します。
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ドラマの顔となる主要ロケ地(浪速大学病院の舞台)
物語の中心となる浪速大学病院は、フィクションの病院ですが、リアリティを追求するため、複数の施設や建物を組み合わせて撮影が行われました。
2019年版(テレビ朝日)
このバージョンで、浪速大学病院として多用されたのが千葉県の施設です。
- 千葉市役所(千葉市) 庁舎の外観、展望ルーム、屋上などが浪速大学病院として使用されました。特に、財前が屋上に登り、天を仰ぐ印象的なシーンが撮影された場所として知られています。
- 千葉大学医学部附属病院(千葉市) 病院内部のシーンの多くはこちらで撮影されました。放射線科やロビー、緊迫感あふれる総回診のシーンなどが収録されています。
2003年版(フジテレビ)
唐沢版では、神奈川県内の施設が病院のメインロケ地となりました。
- 富士通本店・川崎工場(神奈川県川崎市) 浪速大学病院の全体像や外観として登場しました。
- 川崎市立川崎病院(神奈川県川崎市) 病院のロビーのシーンは、こちらの施設で撮影されたとされています。
ロケ地を知ると、「あのシーンをもう一度確かめたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
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舞台・大阪の象徴的なシーンを巡る
物語の舞台は大阪ですが、実際のロケは関東が多く、純粋な大阪ロケは限られていたという傾向があります。しかし、大阪の街並みや象徴的な場所も重要なシーンで使われています。
2003年版(フジテレビ)
- 中之島三井ビルディング(大阪市北区) 大阪の様々な街並みを撮影するために、このビルの屋上が使用されました。ただし、通常、屋上は立ち入り禁止とされています。
- 戎橋・大黒橋(大阪市中央区) 財前五郎と杏子(若村麻由美)が渡っていたのは道頓堀川の戎橋です。また、財前が電話をかけていた赤レンガの壁がある場所は大黒橋周辺でした。現在、戎橋周辺は遊歩道などが整備され、ドラマ放送当時から風景が大きく変化しているとされています。
2019年版(テレビ朝日)
- 尻無川橋梁(大阪市) 亀山君子が帰宅する途中の橋として、国道43号の尻無川橋梁の歩道が使われました。高所に位置する橋のため、当時のロケは困難を伴ったであろうと推察されます。
関東近郊で出会える名シーンの舞台(東京・千葉・神奈川)
2003年版は特に、東京や神奈川周辺の施設を「大阪の病院」「大阪の料亭」「大阪の裁判所」に見立てて多用しています。
- 大阪地方裁判所 裁判のシーンは物語の核ですが、ロケ地となったのは八王子市役所(東京都八王子市)です。
- 千成病院・近畿労共病院 里見脩二(江口洋介)が浪速大学を去った後に勤務する千成病院のロケ地は、東京共済病院(東京都目黒区)です。また、東貞蔵教授(石坂浩二)が院長を務める近畿労共病院は、川崎市立井田病院(神奈川県川崎市)で撮影されました。
- ゴルフコンペの舞台 「くれない会」のゴルフコンペが開かれたのは、ロッテ皆吉台カントリー倶楽部(千葉県市原市)でした。
旅情を誘う西日本の絶景ロケ地(兵庫・岡山)
2019年版では、財前五郎の人間的な背景や、教授選後のシーンなど、物語に奥行きを持たせるために、西日本の風光明媚な場所が選ばれています。
- TOTOシーウィンド淡路(兵庫県淡路市) 建築家・安藤忠雄氏が設計したリゾートハウスです。海に囲まれた絶景とアートな空間が、印象的なシーンを演出しています。撮影は、エレベーター塔やロビー前のテラスなどで行われました。主人公が誰かと二人で食事をするシーンでは、海を見渡すテラスでワイングラスを片手に過ごす時間が映し出されています。
- 宇野津の棚田と水島コンビナート(岡山県倉敷市) 財前五郎の出身地は岡山県和気郡という設定です。財前の母・黒川キヌと財前が電話で話すシーンは、倉敷市児島宇野津の、棚田の先に水島コンビナートを望むため池の土手で撮影されました。水島コンビナートは、石油精製や鉄鋼などが集まる広大な工業地帯で、その全景は、旧鷲羽山スカイラインの水島展望台からも望むことができ、圧巻の風景が広がる場所です。
まとめ
『白い巨塔』のロケ地は、日本の経済や医療の「光と影」を象徴するように、現代的なオフィス街や大学病院から、地方の郷愁を誘う棚田、そしてリゾート地まで、多岐にわたる場所で撮影されています。
ロケ地を巡ることは、単に撮影された場所を訪れるだけでなく、財前五郎や里見脩二、東貞蔵といった登場人物たちがそれぞれの信念と葛藤を抱えて生きた舞台の空気を肌で感じることにつながるでしょう。もし、あなたが『白い巨塔』の世界に浸りたいと感じたなら、それぞれの場所が持つ独特の雰囲気や、物語に込められた情熱を再発見できるかもしれません。
『白い巨塔』は、時代を超えて心に残る名作です。
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