1979年の放送開始以来、型破りなコメディタッチの刑事ドラマとして多くの視聴者を魅了した『噂の刑事トミーとマツ』。国広富之さん演じる気の弱いトミー(岡野富夫)と、松崎しげるさん演じる猪突猛進なマツ(松山進)のコンビネーションは、今なお鮮烈な輝きを放っています。シリアスな刑事ドラマが主流だった当時、この作品は日本の「バディもの」刑事ドラマの定着に大きな足跡を残しました。
この名作ドラマを支えたロケ地はどこだったのでしょうか。実は、数多くの大映ドラマを制作した大映テレビの拠点に深く関係しており、特定のエリアが「聖地」となっていたことがわかっています。当時の面影を辿りながら、トミーとマツが駆け回った主な撮影場所をご紹介します。
大映ドラマの拠点「府中」がロケ地の中心
『噂の刑事トミーとマツ』は、大映テレビが制作した作品であり、大映ドラマの全盛期を代表する作品の一つです。そして、この大映テレビが1980年ごろから2005年くらいまで、東京都府中市に自社のスタジオを構えていたことが、ロケ地の傾向を決定づけています。
この「府中多摩スタジオ」は、京王線の中河原駅から徒歩10分ほどの場所に位置していました。当時の大映ドラマは週に複数本が放送されていたため、スタジオ周辺である府中やその近隣エリアが、撮影場所として頻繁に使われていたのです。
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府中市内に見られる具体的なロケ地
トミーとマツが活躍したシーンの多くは、このスタジオを中心とした府中市内で撮影されていた記録が残っています。
• 最終回の舞台の一部(府中市)
第106話(最終回)では、府中市内の複数の場所が使用されました。例えば、東京都府中市四谷1丁目がロケ地の一つとして特定されています。また、府中駅前の再開発を辛うじて免れた場所として、東京都府中市宮町1丁目にある「串助」や「新富」が住宅地図で確認できる場所も使用されました。
• エンディングの印象的なシーン
トミーを森村婦警(石井めぐみさん)が追いかける印象的なエンディングの場面は、府中・鎌倉街道で撮影されたとされています。
• スタッフやキャストが利用した周辺施設
中河原駅周辺には、撮影の合間に利用されたと思われる施設もありました。中華料理店「新楽」は、再開発を経て現在は面影がありませんが、かつてロケ地として使用されたエリアにあったようです。また、現在の「ガスト 府中中河原店」は、かつて「すかいらーく」だった時代に、俳優やスタッフが昼食で利用していたという傾向が見られます。
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往年のロケ地巡りの魅力と注意点
長年にわたり大映ドラマのロケ地として機能していた府中エリアですが、撮影から時を経て、現在ではその景観が大きく変化している場所も少なくありません。
変わってしまった場所を辿る
ロケ地の中心であった府中多摩スタジオは、2008年1月ごろに取り壊され、現在は駐車場となっています。また、中河原駅前なども再開発が進み、往年の面影は薄れています。
特に最終回のロケ地であった東京都新宿区西新宿2丁目のレンガ構造物や歩道橋は、都庁建設などの影響で2009年以前に撤去された可能性があり、現存していないとされています。時が経つにつれて、過去のドラマの景色をそのまま確認することは難しくなっていますが、当時の資料や記録と現在の風景を比較するロケ地巡りには、ノスタルジーを感じる魅力があるでしょう。
現存する可能性のあるスポット
府中市内のロケ地の一つ、喫茶店「ぶんぶん」は、窓際の席が撮影にたびたび使われていた場所です。内装も当時と大きくは変わっていないという声もあります。ドラマの時代を体感できる貴重な場所として、訪れるファンもいると考えられます。
また、石井めぐみさんがデビュー間もない頃のドラマ撮影が国立市で行われており、国立市もロケの聖地の一つとして知られています。『噂の刑事トミーとマツ』のポスターも、旧国立駅舎でのポスター展で展示されたことがあります。
地方ロケや特筆すべき撮影協力
トミーとマツの活躍は、東京近郊に留まらず、地方でも行われていました。
第1シリーズでは、第18回で伊東温泉 ひまわり苑、第34回で小湊パシフィックホテルが撮影協力としてクレジットされています。特に第18回は、森村婦警役の石井めぐみさんが非レギュラーで芸者役として出演した回でもあります。地方の観光地やホテルも、ドラマのハチャメチャな展開の舞台となっていたことがわかります。
まとめ
『噂の刑事トミーとマツ』のロケ地を探る旅は、大映ドラマの制作拠点であった東京都府中市を中心に展開されていました。中河原駅近くにあった府中多摩スタジオを核として、トミーとマツがドタバタを繰り広げた街並みが広がっていたのです。
現在、スタジオは姿を消し、周辺の風景も変わってしまいましたが、最終回の西新宿や府中市内の具体的な場所、そして当時の雰囲気を伝える喫茶店など、かすかに当時の熱気を感じられる場所は残されているかもしれません。当時の映像と現在の地図を照らし合わせながら、トミーとマツのコンビが駆け抜けた1970年代後半の空気を感じてみるのも、ドラマを愛するファンにとって特別な体験になるでしょう。
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