1980年代を象徴する青春ドラマとして、今なお多くのファンに愛され続けている『ふぞろいの林檎たち』。学歴や環境の違いに悩みながらも成長する若者たちの姿が描かれたこの作品は、パートIからIVまでシリーズ化されました。彼らが通った大学や、恋を語り合ったデートスポットなど、ドラマの感動的なシーンを彩ったロケ地は、今どうなっているのでしょうか。
このガイドでは、主人公たちの青春の舞台から、特に印象的なシーンが撮影された場所まで、当時の映像を思い浮かべながら巡るための情報をご紹介します。
若者たちが集った学び舎(大学・看護学校)
『ふぞろいの林檎たち』の物語は、4人の大学受験浪人生と、彼らが後に知り合う看護学校の学生たちを中心に展開します。彼らの学びの場となったロケ地を見てみましょう。
主人公たちが通った大学のロケ地
仲手川良雄(中井貴一)や岩田健一(時任三郎)、西寺実(柳沢慎吾)らが通っていた大学のロケ地として使用されたのは、武蔵工業大学です。
現在、この大学は東京都市大学となっています。所在地は世田谷区玉堤にあります。ドラマの放送当時と時代は変わりましたが、彼らがキャンパスで青春を過ごした情景を偲ぶことができるでしょう。
陽子と晴江が通った看護学校
水野陽子(手塚里美)と宮本晴江(石原真理子)が通う看護学校として使用されたのは、都立荏原看護専門学校です。
この学校は、大田区東雪谷に位置していました。二人が看護師を目指して勉学に励む姿が目に浮かぶような場所です。
また、第1話で健一たちがワンゲル愛好会の入会案内ビラを配っていたのは、東京女子大学正門前(杉並区善福寺)とされています。健一たちが陽子と晴江を探しに訪れたのは、津田塾大学(小平市津田町)でした。さらに、良雄が配達に向かった場所として、東京大学正門(文京区本郷)も第1話に登場しています。
象徴的なシーンが生まれたロケ地:横浜とオープニングの秘密
ドラマの中でも特に印象深いデートシーンや象徴的な映像は、主に横浜や東京の特定の場所で撮影されました。
横浜:伝説のデートスポット巡り(第3話)
第3話では、健一と陽子のドライブデートの様子が描かれました。
• ドライブシーンと田んぼへの突入 二人の車が田んぼに突っ込んでしまうコミカルなシーンは、東急電鉄すずかけ台駅から歩いて20分ほどの場所で撮影されました。40年前は田んぼだらけだった周辺は、現在景色が大きく変わっていますが、車が突っ込んだ場所の奥の道が右に曲がるアングルなどは当時と同じだといわれています。この場所のすぐ左側は、横浜町田インターの近辺です。
• 山下公園と「パンチだ」のシーン 横浜デートのハイライトは山下公園です。健一が柵の上に乗り、はしゃいでいた場面が撮影されたのはまさにこの場所です。背景には、当時と変わらない氷川丸が見えています。また、山下公園の噴水の前は、健一が突然飛び立つ有名な「パンチだ」のシーンが撮影された場所として知られています。これはアドリブ的な要素が含まれていたシーンだと考えられています。
• 元町公園の外人墓地 健一と陽子が散策していたのは、元町中華街駅から歩いて10分ほどの場所にある元町公園の外人墓地周辺です。二人は「貝殻坂」と呼ばれる坂や階段を登りながら歩く姿が映されていました。
パートI最終回:馬の背洞門
パートIの最終回で、登場人物たちがそれぞれの想いを告白し合う重要な場面は、神奈川県の城ヶ島で撮影されました。具体的には、「私この人好き!」「俺こいつが好き!」と言い合った場所は、馬の背洞門の上部でした。
馬の背洞門は現在、岩がもろく危険なため、洞門には登らないよう看板で注意が促されています。海岸線沿いの磯を歩き、上部へ上がる階段を利用して当時の情景に思いを馳せることができます。
オープニング映像のロケ地
印象的なオープニングで林檎を放り投げるシーンは、東京都中野区中央にある横山設備工業の本社ビル屋上から撮影されました。
当時は西新宿に高層ビルが今ほど建っておらず、中野坂上にある本社ビルから新宿の高層ビル群が遮るものなく見通せたため、撮影地に選ばれたそうです。
★ふぞろいの林檎たちロケ地めぐり・観光の予約をまとめて取りたい方へ
主人公たちの日常と心の葛藤の舞台(自宅・職場編)
仲手川良雄の実家と周辺(文京区本郷)
良雄の実家である酒屋、仲手川酒店として使われたのは、文京区本郷にある吉澤商店です。
店内や建物全体はスタジオセットが使用されましたが、店舗の外観はこの場所が使われました。周辺には、第3話で稔と晴江が隠れていた電信柱(本郷5-12)や、良雄が配達に出発する坂など、数多くのシーンが撮影されています。
看護学生たちの寮と商店(世田谷区上野毛)
陽子や晴江ら看護学生が寮の近くで買い物をしていた商店は、世田谷区上野毛の環状八号線沿いにありました。
陽子が健一に嘘をついたことを赤電話で打ち明けるシーンなど、ドラマの中で頻繁に登場します。この商店は、オーニングは変わったものの建物は当時のままであり、隣接する食堂も当時から営業を続けているとされています。また、彼女たちが寮へ帰るために上っていた歩道橋は、環状八号線の第三京浜玉川インターチェンジ入り口に架かる上野毛一丁目歩道橋です。
シリーズ2:職場と変化した千葉駅
『ふぞろいの林檎たち2』では、主人公たちが社会人となり、新しい生活の舞台が登場します。
• 千葉駅前の風景の変化 第2話で陽子と岩田がデートをしていた千葉駅東口広場前(千葉県千葉市)は、当時と景色が大きく変わっています。当時は奥に千葉駅ビルが見えましたが、現在は千葉モノレールの駅ビルができており、昔の面影を探すのが難しくなっています。 ただし、背景に見えていた塚本ビルなど、一部の建物は当時のまま残っていると思われます。
• 健一らの会社 岩田健一と稔が働いていた会社が入っていたのは、神田にある「安いビル」でした。このビルは新しく建て替わり、現在も「東京 安いビル」という名前の一部が残されています。しかし、ドラマで映された屋上のシーンは、当時の安いビルには屋上がなかったという話があり、別の場所で撮影された可能性が高いです。
• 良雄の会社(有明) 良雄が働いていた会社(晴海物流とされる)のロケ地は、東京都江東区有明1丁目周辺だと推測されています。ドラマのシーンから「東京 都 江東 区 有明 1 丁目」の住所が読み取れます。 しかし、この周辺はモノレール駅や新しい高層マンション、有明ガーデンなどが建設され、現在では当時の景色とは大きく異なっており、正確な場所を特定するのは非常に難しい状況です。
まとめ
『ふぞろいの林檎たち』のロケ地を巡ると、若者たちのひたむきな姿が目に浮かぶと同時に、昭和から平成、そして令和にかけての都市の移り変わりを感じることができます。当時の面影が色濃く残る場所もあれば、モノレールが走り、高層ビルが立ち並ぶ現代的な風景へと変貌を遂げた場所もあります。
ロケ地巡りは、単に場所を訪れるだけでなく、時の流れが作り出す景色の変化を体感する旅でもあります。当時の若者たちが抱えていた悩みや希望に思いを馳せながら、変わらない風景、そして変わりゆく街並みを歩いてみるのはいかがでしょうか。
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