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ドラマ『ムー一族』の舞台を辿る:伝説の足袋屋「うさぎ屋」と型破りなロケの記録

ドラマ『ムー一族』の舞台を辿る:伝説の足袋屋「うさぎ屋」と型破りなロケの記録 ドラマ

1978年から1979年にかけてTBSの「水曜劇場」枠で放送された『ムー一族』は、従来のホームドラマの枠を超えた、実験的で型破りな作品として日本のテレビ史に語り継がれています。このドラマは、人情味あふれる下町の足袋屋「うさぎ屋」を舞台に、宇崎一家が繰り広げる日常を描きながらも、突然歌やコント、生放送が挿入されるというユニークな演出が特徴でした。

この型破りなドラマの魅力の一つは、国内の「いつもの場所」から遠く離れた海外まで飛び出したロケ、そして観客を招いて行われた公開生中継という、当時のテレビドラマとしては異例の試みにあります。ここでは、物語の中心となった「うさぎ屋」の所在地から、出演者が駆け巡った驚きのロケ地まで、その舞台裏をご紹介します。

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ドラマの心臓部:老舗足袋屋「うさぎ屋」があった場所

『ムー一族』の物語の中心地は、東京・築地の近くにある、創業90年の老舗足袋屋「うさぎ屋」です。

• 設定上の所在地:具体的には、東京都中央区新富町一丁目に位置するという設定でした。

• 物語の基盤:「うさぎ屋」は、四代目当主の宇崎安男(伊東四朗さん)と妻の小春(渡辺美佐子さん)が切り盛りする家族の場所であり、ここで家族の絆や人情味といったホームドラマの「背骨」にあたる部分が描かれました。

• 「寄り道ドラマ」の舞台:このホームドラマの「背骨」をわずかに残しつつ、あとは笑いと道草(ギャグやコント)で埋め尽くすという、演出家・久世光彦氏の掲げた「笑い八分の涙二分」というコンセプトの実現された場所でもあります。

なお、このドラマはセットを主な舞台としていましたが、最終回では、この舞台が消防車による放水で全壊するという衝撃的な幕引きを迎えました。これはセットが不要になったためですが、出演者全員が笑顔でテーマ曲を歌い上げるフィナーレは視聴者に強い印象を与えました。

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国内外を駆け巡った!型破りな遠隔ロケ地

驚きのエジプトロケ

『ムー一族』は、その制作コンセプトの通り、演出家が「ひらめいたアイデアはすべて実現させた」結果、ドラマとしては前例のない遠隔地でのロケを敢行しました。

• ロケ地:エジプトでロケを敢行しました。

• 内容:出演者全員が参加し、いつもの「うさぎ屋」の風景が突如としてナイル川の畔に出現するという、シュールで不思議なストーリーが展開されました。この海外ロケは、後半の放送で行われています。

極寒の地、北海道旭岳ロケ

海外だけでなく、国内の非常に特徴的な場所もロケ地となりました。

• ロケ地:ドラマ後半では、積雪2mを超える極寒の北海道・旭岳でロケを敢行した回がありました。

観客との一体感を生んだ金沢からの生中継

また、『ムー一族』は、生放送や公開中継を積極的に取り入れたことも特徴です。

• 中継地:第12回では、石川県金沢市の石川厚生年金会館(現在の本多の森北電ホール)から公開生放送を実施しました。

• 当時の様子:この公開生放送では、郷ひろみさんと樹木希林さんによるデュエット曲『お化けのロック』や『林檎殺人事件』が、バックバンドと共に完全生演奏されました。

ロケ地という概念を超越した「生放送」の試み

『ムー一族』が画期的とされるのは、実際に存在する地理的なロケ地だけでなく、放送形式自体を遊び場にした点にあります。久世光彦氏ら制作者たちは、予定調和的ではない展開こそがドラマをより面白くすると確信していました。

• 生放送の頻度:全39回のうち、実に11回は生放送で行われました。中には、3週連続生放送という、無謀ともいえる試みも断行されています。

• 遊び心あふれる展開:生放送の中では、視聴者からのハガキを元にしたコントが演じられたり、ザ・ドリフターズが私服姿で茶の間へ乱入するハプニングが織り交ぜられたりしました。

• 他番組との境界線:うさぎ屋の従業員である金田さん(樹木希林さん)とカヨコさん(岸本加世子さん)が、当時の人気クイズ番組『クイズダービー』に出演するという設定が盛り込まれるなど、番組の垣根を越えた演出も多く見られました。

• 情報番組風の演出:ドラマの途中で、突然情報番組風のコーナー(ムー情報)が始まることもありました。

これらの実験的な試みは、ドラマの舞台を「うさぎ屋のセット」から「テレビの放送空間そのもの」へと広げる役割を果たしました。

まとめ

ドラマ『ムー一族』の主な舞台は、東京・中央区新富町一丁目にある老舗足袋屋「うさぎ屋」のセットでした。しかし、この作品の真の「ロケ地」は、エジプトのナイル川畔から極寒の北海道旭岳、そして石川県金沢のホールといった遠隔地まで広がり、さらには生放送というテレビの枠組み自体をも巻き込んだ、非常に広範で自由な空間であったといえるでしょう。

このドラマは、緻密に作り込まれたロケ地を巡る旅というよりも、制作者と出演者たちが一体となって「面白いこと」を追求した自由なエネルギーの結晶のような存在でした。もしこの伝説的なドラマを再び観る機会があれば、単なる物語の筋書きだけでなく、当時のテレビが持つ無限の可能性と、出演者がその場で生み出す瞬発力の光景を、ぜひ味わってみてください。

(『ムー一族』はVOD配信はされておらず、DVD-BOXでの視聴が可能なようです。当時の熱量を、お気に入りの名場面でいつでも楽しむことができるかもしれません。)

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