1978年から1979年にかけて放送されたTBS系テレビドラマ『ムー一族』は、久世光彦氏のプロデュースによる、コメディ仕立てのホームドラマです。東京・新富町の足袋屋「うさぎ屋」を舞台に、生放送やコントコーナーなど、当時のドラマの常識を覆す破天荒な演出で大きな人気を博しました。
この型破りな世界観を支えていたのが、印象的なテーマ曲や、劇中で突然歌い踊る俳優たちによる挿入歌の数々です。ここでは、『ムー一族』の独特な魅力を形作った主要な楽曲を一覧でご紹介します。
『ムー一族』を象徴するテーマ曲「暗闇のレオ」
『ムー一族』のオープニングを飾ったのは、クリエイションによるインストゥルメンタル曲**「暗闇のレオ」**です。この曲は、毎回、火山の噴火を背景にしたタイトルバックとともに軽快に流れ始めました。
演奏は竹田和夫氏とクリエイションが担当しており、ノリの良いリズムの軽快なインストゥルメンタルで、当時は「フュージョン」と呼ばれるジャンルの一歩手前に位置するような音楽だったと評価する声もあります。ギターの複雑な旋律が印象的で、演歌や歌謡曲が主流だった当時のTVドラマのテーマ曲としては、とても新鮮に響いたようです。
また、第11話の生放送では、クリエイション本人がスタジオに出演し、「暗闇のレオ」の生演奏を披露した記録も残っています。
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爆発的ヒットを生んだ二大デュエット曲
『ムー一族』の挿入歌として最も有名で、ドラマのコミカルな要素を担ったのが、郷ひろみさん(次男・拓郎役)と樹木希林さん(家政婦・金田さん役)によるデュエット曲でしょう。この異色のコンビは、ドラマの「顔」とも言える存在でした。
「林檎殺人事件」
この曲は『ムー一族』を代表する大ヒット曲となりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 歌手 | 郷ひろみ・樹木希林 |
| 作詞 | 阿久悠 |
| 作曲 | 穂口雄右 |
| リリース | 1978年6月21日(郷ひろみ27th Single) |
郷さんと樹木さんが歌い踊るコントコーナーの挿入歌として親しまれました。タイトルとは裏腹にコミカルな歌詞が特徴的で、特にサビの**「フニフニフニフニ」というフレーズが印象的です。
このフレーズは、プロデューサーの久世光彦氏による言葉遊びであり、樹木希林さんによれば、二人のコンビが「二つとない実際は一つ」という意味の『不二』**をコンセプトにしていることに基づいているとされています。この曲は『ザ・ベストテン』で4週連続1位に輝くなど、当時の音楽シーンでも大きな話題となりました。
「お化けのロック」
「林檎殺人事件」以前から二人が歌っていた楽曲で、本作『ムー一族』でも挿入歌として登場しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 歌手 | 郷ひろみ・樹木希林 |
| 作詞 | 阿木燿子 |
| 作曲 | 宇崎竜童 |
| リリース | 1977年9月1日 |
元々は前作『ムー』のテーマ曲の一つでしたが、『ムー一族』の劇中でも、拓郎と金田さんの二人のテーマ曲として、毎回ドラマの展開とは関係なく挿入されていました。
異色の組み合わせが生んだ伝説の劇中歌「世迷い言」
ドラマのファンにとって忘れがたい、強烈なインパクトを残したのが、日吉ミミさんが歌った**「世迷い言(よまよいごと)」**です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 歌手 | 日吉ミミ |
| 作詞 | 阿久悠 |
| 作曲 | 中島みゆき |
| リリース | 1978年10月5日(日吉ミミ28th Single) |
日吉ミミさん演じる謎の歌手が、劇中の「割烹ひろみ」で学生バンドとともに歌うシーンが描かれました。作詞は阿久悠氏、作曲は中島みゆき氏という豪華な組み合わせで制作されており、歌詞の中には、**「上からよんでも下から読んでも ヨノナカバカナノヨ」**という、回文を用いたユニークなフレーズが登場します。
これは、劇中で回文が使われたことがきっかけとなって生まれた曲だとされています。最終回(第37回)のエンディングでは、出演者やスタッフが結成したバンドによってこの曲が生演奏されました。
ドラマのシーンを盛り上げたその他の印象的な楽曲
『ムー一族』では、主要な楽曲以外にも、特定のキャラクターや物語の要素を強調するために効果的に音楽が使われていました。
「しのび逢いのテーマ」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作曲 | 川口真 |
| 演奏 | ルネ・ジュリアン・グランド・オーケストラ(DVD-BOX情報より) |
| 使用シーン | 清水健太郎と一条ゆかりの「しのび逢い」シーンで使用。キャメルのレインコート姿で会うときに流れる。 |
「短篇小説」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 歌手 | 桂木 文 |
| 作詞・作曲 | さだまさし |
| リリース | 1978年7月25日 |
| 劇中での位置づけ | 主人公・拓郎が想いを寄せる里中マチコ(桂木文)のデビューシングル。 |
その他の挿入歌
| 曲名 | 内容 |
|---|---|
| HELL OR HEAVEN(地獄か天国) | 郷ひろみのアルバム収録曲。「夢先案内人・ヘホ」コーナーでディスコミュージックとして使用。 |
| 夢の彼方に DREAMS I DREAM OF YOU |
クリエイション・ウイズ・フェリックス・パパラルディの楽曲。 |
| 男と女・昭和編 | みなみらんぼう・井出せつ子の挿入歌。 |
| 兄弟仁義 | 北島三郎の楽曲も挿入歌として使用。 |
まとめ
『ムー一族』の楽曲は、単にドラマのBGMとして機能するだけでなく、型破りなドラマの世界観そのものを表現していました。テーマ曲のインストゥルメンタル「暗闇のレオ」で視聴者の耳を引きつけ、コメディコーナーでは「林檎殺人事件」や「お化けのロック」で出演者が一体となって歌い踊る。そして、「世迷い言」のような、豪華な作家陣による異色の劇中歌が、ドラマの持つ独特な雰囲気に深みを与えていました。
これらの楽曲は、ドラマの自由でユーモラスな演出と結びつき、当時の視聴者にとって非常に印象的な体験として刻み込まれたことでしょう。今、これらの楽曲を改めて聴いてみると、当時の活気あふれるテレビ文化のエネルギーが感じられるかもしれませんね。
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