1974年に放送された田宮二郎さん主演のテレビドラマ「白い滑走路」は、日本航空(JAL)の全面協力のもと制作された、航空ドラマの金字塔として知られています。主人公であるパイロット杉山重夫のプロとしての厳しさと、彼をめぐる大人の恋愛模様が描かれたこの作品は、当時のドラマとしては異例なほど大規模なロケを国内外で敢行したことでも有名です。
このドラマがどのような場所で撮影され、当時の貴重な航空・旅行シーンを記録しているのか、主要なロケ地をご紹介します。
物語のリアリティを支えた「訓練の地」アメリカ
「白い滑走路」は、田宮二郎さん演じる杉山重夫がジャンボジェット機(ボーイング747)の機長へと昇格するための訓練を受けるシーンから始まります。この訓練が行われた舞台こそが、このドラマのリアリティを支える重要なロケ地です。
ジャンボ機訓練の中心地、モーゼスレイク
杉山機長が過酷な訓練に挑んだ場所は、アメリカのワシントン州にあるモーゼスレイク・グラントカウンティ空港です。
当時、日本国内では大型ジェット機の飛行訓練を十分に行える場所がなかったため、日本航空はこのモーゼスレイクに訓練所を開設していました。ドラマのオープニング映像にも、このモーゼスレイクでの訓練シーンが使われています。
この地では、単に訓練風景が撮影されただけでなく、本物のボーイング747の実機が使用されました,。航空会社の協力なしには実現し得ない、緊急降下やタッチアンドゴーといった本格的な訓練シーンが多数収録されています。
貴重な航空関連のロケ地
アメリカ国内では、他にも航空機に関連する貴重なシーンが撮影されました。
• ボーイング社工場(シアトル):杉山がボーイング社の工場を訪れる場面があり、当時のボーイング機が製造される様子を見ることができます。
• サンフランシスコ:日本航空サンフランシスコ支店やサンフランシスコ国際空港のチェックインカウンターなどが登場します。
訓練所のパイロットたちはモーテルに宿泊し、自炊しながら厳しい訓練に励んでいた様子も描かれており、当時の航空業界の日常を垣間見ることができます。
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リアリティを支えた日本の主要ロケ地
日本国内では、主に主人公たちの仕事の拠点や生活の場が描かれました。
1974年当時の羽田空港
このドラマは日本航空を舞台にしているため、当時の羽田空港の様子が随所に記録されています,。滑走路からのジャンボジェットの離陸シーンなど、航空会社の協力のもとで撮影された本格的な映像が特徴です。
また、かつて天空橋の近くにあった日本航空乗員訓練センターも、ドラマの舞台として登場しています。1974年当時の日本航空の社内の様子が映し出されており、今となっては非常に貴重な映像記録といえるでしょう。
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愛の舞台となった大規模な海外ロケ
「白い滑走路」のもう一つの大きな魅力は、そのスケールの大きな海外ロケです,。まだ誰もが気軽に海外旅行に行けない時代に、世界各地の風景を視聴者に届けました。特に終盤の数話は、ほぼ全編が海外ロケで構成されています。
最終回を飾った北米とヨーロッパの名所
主人公の杉山と、山本陽子さん演じる上条里子の愛が深まり、物語がクライマックスを迎える舞台として、カナダやヨーロッパが選ばれました。
• カナダ:バンクーバー、バンフ、そしてコロンビア大氷河など、雄大な自然が広がります,。特にコロンビア大氷河を背景にした美しい映像は、当時としては目を見張るものがあったとされています。
• ヨーロッパ:愛の結実の地として、ロンドンが登場します。最終回では、新婚旅行の舞台としてピカデリーサーカス、トラファルガースクエア、タワーブリッジ、バッキンガム宮殿などの有名な観光名所が映し出され、視聴者に感動を与えました,。また、パリも物語の舞台となっています。
貴重な当時の海外の街並み
この他にも、アジアのロケ地として香港やマカオ(澳門)が登場しています,。香港の啓徳空港へのアプローチシーンは、本格的な航空描写の一例として評価されています。
また、作中では浦辺粂子さん演じる折井とめが福引で当てたハワイ旅行へ一人で出かける場面もあり、当時のワイキキの風景などが映し出されました,。これらの海外シーンは、1970年代の観光スポットや街並みを記録した映像としても楽しむことができるでしょう。
現代で「白い滑走路」を視聴できる場所
「白い滑走路」は、当時の航空業界のリアルな描写と、スケールの大きな人間ドラマが融合した傑作として、今なお多くのファンに支持されています,。この名作を現代において視聴したい方には、以下の施設が選択肢の一つとなり得ます。
横浜にある放送ライブラリー
神奈川県横浜市中区の日本大通りにある放送ライブラリーでは、「白い滑走路」の第1話を無料で視聴できることが確認されています。
• 場所:横浜市中区日本大通り(横浜情報文化センター内)。
• 料金:無料で視聴可能です。
• 視聴時間:第1話の正味時間は47分ですが、ライブラリーでの視聴時間は2時間以内とされています。
• 休館日:毎週月曜日(祝日・振替休日の場合は次の平日)、年末年始が休館日です。
放送ライブラリーを訪れた方々の傾向として、中華街など横浜観光のついでに立ち寄り、休憩がてらゆったりと作品を楽しめたという声があります。田宮二郎さんや松坂慶子さんの魅力的な演技に加え、約50年前の日本航空の社内の様子や、緊迫感あふれる訓練シーンなど、見どころが詰まった第1話をじっくりと鑑賞することができます。
なお、第2話以降の視聴を可能にしてほしいという要望もあるようですが、現在の公開状況は事前にインターネットなどで確認することがおすすめです。
まとめ
「白い滑走路」のロケ地は、単なる背景ではなく、プロフェッショナルとしてのパイロットの日常と、彼らが直面する人間ドラマに奥行きを与える重要な要素でした。
アメリカ・モーゼスレイクでの厳しい訓練の風景から、当時の日本の空の玄関口である羽田空港、そしてカナダの雄大な自然やロンドンの美しい街並みといった海外の情景に至るまで、この作品は1970年代という時代の航空機と世界の風景をフィルムに焼き付けています。
このドラマを改めて鑑賞することは、当時の航空技術の最前線と、遠い海外への憧れを感じる、時間旅行のような体験になるかもしれません。横浜の放送ライブラリーなど、視聴できる場所を訪れて、田宮二郎さんが演じた杉山機長の世界観に触れてみるのはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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