ドラマ『噂の刑事トミーとマツ』は、1979年から1982年にかけて放送された、国広富之さんと松崎しげるさんのゴールデンコンビが織りなす人気刑事ドラマです。当時主流だったシリアスな群像劇とは一線を画し、アメリカの『刑事スタスキー&ハッチ』に着想を得たコメディタッチのバディものとして人気を博しました。
この作品の魅力は、個性豊かな登場人物たちが織りなす絶妙な人間関係にあります。今回は、主人公の凸凹コンビ「トミーとマツ」をはじめ、彼らを取り巻く富士見署捜査課のメンバーやヒロインたちの役割と相関関係を詳しくご紹介します。
凸凹コンビ「トミーとマツ」の関係性
物語の主役は、外見も性格も対照的な二人の若手刑事です。富士見署捜査課に所属する彼らは、時に衝突し、時に協力しながら事件を解決に導きます。
| 役名 | 演者 | 役柄と特徴 |
|---|---|---|
| トミー(岡野富夫) | 国広富之 | 巡査。正義感は強いものの、血や高い所、拳銃などが怖い人一倍臆病な新米刑事です。ハンサムで女性には非常にモテるという設定があります。 |
| マツ(松山進) | 松崎しげる | 巡査。江戸っ子気質の猪突猛進型で破天荒な先輩刑事です。ガサツでおっちょこちょいですが、体の丈夫さが取り柄でケンカは強いです。 |
このコンビの最大のお約束は、クライマックスの格闘シーンです。臆病なトミーが怯えていると、マツが「お前なんか男じゃない、おんなおとこで十分だ!おんなおとこのトミコォ!!」と罵倒します。
すると、トミーは耳をピクピクと動かして(これは演者である国広さんの特技だったとされます)、人格が一変し、特撮ヒーローを思わせる超人的な運動能力で悪党を次々となぎ倒しました。マツは普段からトミーをこき使ったり、タバコを勝手に吸ったり、借金をして返さなかったりと先輩風を吹かせていますが、徐々に力を合わせるようになります。
往年の名作『噂の刑事トミーとマツ』をもう一度楽しみたい方へ。配信では見られない今だからこそ、DVD-BOXでいつでも視聴できるチャンスです。懐かしの刑事コンビを、自宅でじっくり堪能しましょう。
富士見署を彩る上司と同僚たち
富士見署捜査課には、トミマツコンビを厳しくも温かく見守る個性的な面々が揃っていました。
• 御崎徹 捜査課長(林隆三)
◦ “鉄血課長”の異名を持つ有能な捜査課長です。私生活ではマイホーム願望が強いという一面も描かれました。トミーの「トミコ」変身の秘密にも感づいていたようです。後に独断捜査の責任を取り、第1シリーズ途中の43話で辞職します。
• 相模五郎 管理官/捜査課長(石立鉄男)
◦ 警視庁本庁の管理官(刑事たちのお目付け役)として登場し、登場するだけで捜査室の空気を凍り付かせました。
◦ 亡きマツの父親を尊敬していたため、マツの身元保証人でもあり、激しく怒鳴りつつも内心ではマツを心配していました。御崎課長が辞職した後は、第1シリーズ44話で捜査課長として赴任します。マツからは髪型を指して影で「モジャモジャ」と呼ばれていました。
• 高村部長刑事(井川比佐志)
◦ 通称「おやっさん」。巡査部長で、地道な捜査を得意とする現場のリーダーです。捜査課のメンバーからの信頼が厚い人物でした。
• 片桐警部補(清水章吾)
◦ 課長補佐で、キザなことから「キザギリ」と呼ばれます。上司の腰巾着的な態度をとり、刑事たちを小馬鹿にする傾向がありました。その一方で、異常に臆病で殺人現場ではハンカチを手放せず、ヤクザへのガサ入れ時には機動隊の支援を求めるなど、コミカルな弱さも持ち合わせていました。
この他にも、関西弁の南田刑事(神山卓三)東洋一刑事(成川哲夫)、無事定年を迎えたい庶務担当の西山刑事(井上和行)など、個性的な同僚たちがトミマツコンビの周りを固めていました。
ヒロインと恋の三角関係
トミーとマツの私生活や捜査に絡む主要な女性キャラクターは、シリーズを通じて物語に彩りを添えました。
• 岡野幸子(志穂美悦子)
◦ トミーの姉で、護身術のインストラクターとして富士見署に出入りしていました。
◦ 気の弱い弟を強い男にしようと叱咤激励する一方で、マツからひそかに憧れられていました。
◦ 第1シリーズ42話で麻薬Gメンと結婚し、降板しています。
• 森村万里子 婦警(石井めぐみ)
◦ 通称「マリッペ」。第1シリーズの21話からレギュラー出演した交通課の婦人警官です。
◦ トミーに熱烈な好意を抱いており、トミー恋しさのあまり、交通課勤務にもかかわらず捜査課の事件にまで首を突っ込む問題児でした。
◦ マツは彼女を「チビ」や「大根足」と罵るものの、好意を素直に表せず、二人きりになると照れるなど、ツンデレな関係です。万里子の方はトミー一筋でマツを相手にしないため、トミー、マツ、マリッペの恋の三角関係がシリーズ後半の見どころとなりました。
◦ マリッペは第1シリーズの終盤で昇進試験に合格し、階級の上ではトミマツコンビの上官となっています。
まとめ
『噂の刑事トミーとマツ』は、臆病で変身能力を持つトミー(国広富之)と、破天荒で熱血漢のマツ(松崎しげる)という、見事にバランスの取れたコンビが主役のドラマでした。彼らのユニークなバディ関係は、当時の刑事ドラマ界に新しい流れを生み出したと言えるでしょう。
このドラマは、個性的な上司や同僚、そして恋の三角関係を繰り広げるヒロインたちの存在によって、単なるアクションコメディにとどまらない、人情味あふれる世界観を作り上げていました。トミーとマツ、そして富士見署の面々が繰り広げた賑やかな日常は、今も多くのファンにとって忘れがたい輝きを放っているのかもしれません。
往年の名作『噂の刑事トミーとマツ』をもう一度楽しみたい方へ。配信では見られない今だからこそ、DVD-BOXでいつでも視聴できるチャンスです。懐かしの刑事コンビを、自宅でじっくり堪能しましょう。


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